助成金ビジネスについて

 雇用保険の保険料を財源とした助成金の申請代行は社会保険労務士の独占業務となっており、社会保険労務士として営業活動を行う上では大きな営業ツールであり、収益を上げるうえでは欠かせないと考えられます。

 現在も、当事務所の顧問先企業の雇用調整助成金の申請を行っておりますし、就業規則の改定を行った企業について定年年齢を上げたのでそれに関連する助成金の申請準備を行っております。

 そこで、これらの仕事をやって行く中で思ったことですが、助成金の申請に当たっては企業のこれまでの行動や社員に対する扱いについて様々な制約が設けられ、その条件を満たすことが助成金の支給要件となっております。それぞれの条件の中ではとても微妙な条件もあり、その条件を満たす満たさないで助成金の対象にならなかったり、助成金の額が何十万円も上下したりします。

 また、助成金がもらえると思っていたのに、対象の従業員がやめてしまうともらえないということもあります。

 要するに、それをビジネスとして企業とハローワークや機構との間に立って助成金の申請をすることは、とてもリスクが高く、グレーな部分をどうしても抱えてしまいがちだと思います。

 社会保険労務士の懲戒処分を公表しているHPを見てみると、助成金の不正請求で懲戒処分になっている事例が多くあります。

 ただし、企業にメリットになり上手に使えば、会社が良い方向に行くきっかけづくりになる助成金もあります。

 より深く勉強して、リスクについてもよく承知をしたうえで、企業に対して良い提案ができるようにしたいと考えております。

 安田社労士とも助成金については、お互いに勉強したことを情報交換しながら、助成金の提案ペーパーを少しずつ作成しておりますし、企業に対して助成金の受給診断についても提案できるよう検討中です。

2021年01月11日